2005年3月31日(木)場所は横浜の黄金町のストリップ劇場ゴールドシアターにて、ショーアップ大宮をはじめ、日本各地の劇場で活躍中の松本格子戸氏プロデュースによるSM興業「横浜SM日和」が行われ、緊縛師の荊子によるショーがありましたので、その報告です。
さて、荊子の相手となるM女は、記念すべき新世界レーベル第1弾『新世界』主演のりな嬢。作品をご覧の方はご存知だと思いますが、このりな嬢。ちょっときつめの感じがするなかなかの美人さんです。M女といってもいろんなタイプがいますが、彼女は寡黙なタイプ。縛られても、叩かれても、ぎゃあぎゃあ叫んだりするんじゃなくて、だまーって受け止める感じの子っていう印象がありました。
さて、ひさしぶりのりな嬢と荊子の再会プレイ。どうなることかしら?と期待を膨らませていざ会場へ。
会場となる町、黄金町といえば有名な売春の町。とはいっても昨年ぐらいに警察の一斉捜査が入ったようなので、辺りは閑散としたもの。カーテンの閉まった小さなほったて小屋のようなお店がずらっと並ぶ前に、ゆっくりと静かに流れる大岡川。その川向こうの1本奥へ入った所に、今回舞台となる横浜ゴールドシアターがひっそりと建っています。ピンクの壁に祭の屋台みたいな安っぽい赤色と緑の、長い時間かけて汚れ古ぼけたビニールで囲われたそのストリップ小屋はなかなか哀愁ただよう雰囲気。
狭い入り口で受け付けをすまし、真っ赤な柔らかなドアを開けると、むわっとこもった空気が流れ込んできた。狭いストリップ小屋はたくさんあるけれど、ココもそれにもれずにとにかく狭い。平日の夕方でも、SM好きのおじさん達でぎゅうぎゅうです。
2部トップの栗鳥巣さんのショーが賑やかなうちに終わり、さあ荊子&りな嬢のショーがはじまります。
観客の息遣いまで聞こえるほどに静かな音のない暗い舞台。そこへ白いお腹の見えるキャミソールに、白いパンツと黒の首輪に黒のストッキング姿で縄やらろうそくやらを持ちながら登場したのはりな嬢。きつめの顔とその愛らしい衣装のギャップが可愛らしい。続いてワンピース姿の荊子。
ひさしぶりの荊子とのプレイに少々緊張している様子のりな嬢と彼女の後ろに立った荊子。彼女の柔らかそうな白い腕をとると、じっくりと後手に縛りあげていく。二の腕や胸に麻縄が食い込んでいく。縄が擦れる音まで聞こえそうなくらい静まりかえった舞台の上で、荊子は縛りながらりな嬢を言葉責めをするが、恥ずかしいのかクスリとたまに微笑するだけでなんにも話さないし、ありがちな喘ぎ声も出さない。
しかし、又縄をかけられ、しだいに縄の世界へ入り込んでいくりな嬢。荊子はお客さんのやじをひらりひらりとかわしながらりな嬢をさらに責める。パンパンパン…むちっとしたお尻をスパンキングされても、じっと耐える彼女の表情がいい。白いお尻が真っ赤に染まる。
そして立ったまま片足を吊られ、青いろうそくが垂らされると、彼女は静かに目を閉じ、その熱さと食い込んだ縄の拘束感に身をゆだね、うつろな恍惚の表情を見せる。
そしてりな嬢は、お客さんに恥ずかしいトコロを見せるよう荊子に命令されて、四つん這いになって片足だけを吊られたまま、犬みたいに舞台の上をよたよた歩き回る。ショー慣れしてないから、その反応がなんとも恥ずかし気でたまらない。
そしてそのまま舞台の袖に消えていくふたり。
30分のステージじゃこれは見足りない。もっとたっぷりと時間のあるなかで、じーっと見ていたいと感じさせるショーでした。SMショーというと吊ってムチで叩いてっていう派手にショーアップされたものが多いなか、荊子のショーはまさに調教そのものという感じ。この1回のショーのためだけじゃなく、長い時間を通してひとりのその女の子、りな嬢を調教していっているというか、なんだかこのショーに彼女を出すということが、調教している過程でちょうどいいお仕置きの機会だったわ、みたいな。
家に返って、ゆっくりと部屋で独りになったとき、じんわりと思い出し欲情してしまうようなショーでした。
なお今回のこのショーは、安藤ボン監督の次回作品(5月発売予定)の中で特典として見られる予定だそうです。見逃した方はぜひ!DVDをチェックしてみてくださいねー。
それでは、「横浜SM日和」の報告でした。(2005.04.02)
※ このショーの模様は『ピリオド.麻縄の絆 マチコ編』の特典映像として見ることができます。(追記:2010-01-04T14:27:02+00:00)