我らが監督安藤ボンの作品の秘密に迫るインタビュー!
なぜSMに惹かれるのか、彼女の生い立ちや緊縛師の荊子との出会い、そして<愛>についてまでを、カルト女優の渚ミミさんが迫る!(以下、渚ミミ…ミミ 安藤ボン…ボン)
ミミ
こんばんは。ホームページ開設おめでとうございます
ボン
渚さんには私の作品に出てもらって、ありがとうございます。
ミミ
いいえー。私も女優ですから(笑)。
さて、何から聞こうかね。エロスを感じるところはどこですか(笑)?
ボン
いきなり!? 何に対してや(笑)!?
ミミ
監督の映画は変なアイテムが出てきますが・・。
あ、それはそうと荊子さんは気狂いなんですかね?
ボン
そんなの本人に聞いて下さい(笑)。
ミミ
じゃ、なんでSMにこだわるんですか?
縛りになんでひかれたのかなあって思って。
ボン
そうですね。・・
(しばし沈黙。そうするとミミさんはテレビに夢中になり怒るボン。)
ボン
女のひとが手も足も拘束されて身動きできない状態で、恥ずかしそうに勘念している様子がとても艶かしくて・・。
その恥ずかしそうにしている姿に欲情したからです。
ミミ
それはそういう潜在的なものが開眼したきっかけのようなものがあったんですか?
ボン
どうですかね。緊縛っていうよりSMっていうところでは、なにがしらの芽はあったのかもしれないですね。なんやろね?
記憶をたどってみると、昔のヤクザ映画とか官能映画の強い男性が弱い女性に暴力を振るうシーンにドキッとしてたんですよね。確固たるものは見当たらないんですけれど。
とにかく父親や母親からある意味カルトな映画たちを望むも望まざるも関わらず、
観せられる機会があったっていう要因も大きいと思います。
ミミ
どんな映画を観せられたんですか?
ボン
父親からは「仁義なき戦い」や「トラック野郎」「網走番外地」あとはVシネ系のヤクザ映画ですね。
母親からは「カリギュラ」や「楢山節考」あとは「積木くずし」。
とにかく子供を映画館までつれていって観るような映画じゃない作品ばっかりを観てたんじゃないかな。
ミミ
すごい家族ですね(汗)・・。
じゃあ荊子さんとの出会いは?
ボン
あるSM緊縛メーカーに25歳の時就職しまして、一時期荊子嬢と同僚の期間がありまして、それで知り合いました。
ミミ
知り合ってからどんなきっかけで一緒に制作をはじめたんですか?
いきなり意気投合しちゃったんですか?
ボン
まあ、なんらかの形では自分の作品を撮りたいなって思ってて。
じゃあ何を撮ろうかってなったときに、荊子の個人調教を見る機会があって。
そのとき縛られたのは男の子だったんですけど、ねちっこい虐め方、まるで部活の先輩が後輩をいびるようなリアルな感じがあったんですよね。
それで荊子が女の子を縛っているところを撮って見たいなと思いまして。
ミミ
それじゃあ荊子さんはそれまで女の子を縛ったことってなかったんですか?
ボン
いやたぶん個人で緊縛ライブをそれ以前にやっていたと思うんですけれど。そこらへんは荊子に聞いてみてください。
ミミ
あ、でもボンさんも荊子さんの緊縛ライブの企画もしてましたよね?
ボン
自分が個人調教を見たときは自分の企画のライブはしてなかったと思います。
ミミ
それじゃあその後、またライブが安藤ボン企画で復活した訳ですか?
ボン
自分が見たかったっていうのもありますけれど、
自分のまわりにSMの世界を全く知らない人たちが多くて、
その人たちに緊縛ライブを見せてどう思ったのかを知りたかったし、
その意見が自分の作品に反映されることがあるんじゃないかと思ったんです。
ミミ
そのライブを見てお客さんはなんて言ってました?
ボン
そのときはすごく面白かった、自分の知らない世界を垣間見ることができて嬉しい、という意見もあったんですが。
結果よくわかんないんですよ。かなり個人的な嗜好の世界だし、
言葉にすることも多分できないだろうと思いますし。でも少数ですがそのあと我々の作る作品に協力してくれたり、SMに少しずつ足を踏み入れていった知人もいました。渚さんもそうですよね?
ミミ
そうですね(笑)まー私のことはおいておいて(汗)。
でも、そういうふうにSMのことを知らない人にもっとその世界を知ってほしいって思ってビデオ作品を作っていたりもするんですか?
ボン
もちろん。それもあります。
ミミ
それ以外は?
ボン
みなさんSMっていう言葉を耳にしたときにハードなイメージがあると思うんですけれど。ムチでしばいたりとか、ロウソクで痛めつけたりとか。
でも私が思うSM観はもっと観念的なものだと考えています。
ミミ
観念的って?
ボン
つっこんできますねー。もっと人間として自然な行為だと思うんです。
ミミ
SMが自然的行為なんですか(驚)?
ボン
求める側と求められる側がいて、求められる側は相手がなにを本当に求めているか、
求める側は相手にどこまで求めていいのか…
その空気感や距離感を楽しむことは、我々が生きていくうえでごく自然な営みだと思うんですよ。
ミミ
う〜ん、なるほど。そうですね。
ボン
そこには好意、もう少し誇張していえば愛があるんです。
ミミ
うんうん。
ボン
愛がなければ求めたり、求められたりしないですよ。
ミミ
そうですね。
ボンさんの作品にはおかしみとともに愛みたいなものを感じます。
そういう感じがボンさんにとってのSMだったり、欲情するきっかけだったりするんですか?
ボン
そうですね。愛のないものには全く興味が湧きません。
ミミ
ボンさんにとっての愛ってじゃあなんですか?
ボン
う〜ん難しい問題ですが…愛とは、相手に弱さを見せることなんです。
自分の愚かしくて不様な様を見せることができるか、かつ受け入れて許すことができるか、ってことですかね。
ミミ
なるほど。がってん承知のすけ!
ボン
そこで愛の真価が問われるところなんですよ。
ミミ
ふ〜む、今日はよい話が聞けてよかったもんちゃ。
今夜はミミと求め求められ、愛の真価を問いましょう!
ボン
いや、遠慮しておきます(笑)。
(インタビュー:2004年)
サイトリニューアルのため、再度掲載し直しました。
(追記:2010-01-22T12:31:04+00:00)